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イヌのAKI診断に有望なバイオマーカー

30 January 2020 – News

好中球ゼラチナーゼ結合性リポカイン(NGAL)はヒトの尿細管障害や急性腎障害(AKI)の早期バイオマーカーとして広く研究がなされてきた。

イヌにおいても、NGAL濃度を用いることで血清クレアチニン濃度よりも早期に高窒素血症性AKIを予測できる可能性や、非高窒素血症性AKIを正確に検出できる可能性、腎機能の回復を予測できる可能性が複数の研究にて既に報告されている。

本研究は、AKIの容量反応性、炎症状態、感染の有無、予後の分類における尿中NGALの有用性を評価することを目的とした前向き研究である。急性腎障害の重症度および下記に示す変数に基づいて86頭のイヌを群分けした。市販のELISAサンドイッチアッセイを用いて全頭の尿中NGALを測定した。

その結果、このリポカインが存在する割合はコントロール群よりもAKI群で高く、急性腎障害の高感度バイオマーカーとして有用であることが示された。感染症の有無や予後(生存または死亡)との関連性は見られなかった。しかしながら、本バイオマーカーは炎症の影響を受けることが明らかになったため、全身性の炎症を有する動物では検査結果の解釈に特に注意が必要である。

また、興味深いことに、イヌではAKIのグレードとNGAL濃度の間に相関性がみられず、疾病のステージが軽度の場合でも尿細管障害が生じていることが示唆された。

NGALは本疾患に対する特異度に乏しいものの感度は非常に高く、イヌのAKIを分類する際には、尿化学検査やIRIS項目と併用することが提案される。

Monari E et al. Urine neutrophil gelatinase-associated lipocalin to diagnose and characterize acute kidney injury in dogs(イヌの急性腎障害の診断および分類における尿中好中球ゼラチナーゼ結合性リポカインの有用性). J Vet Intern Med. 2019 Nov 9. doi: 10.1111/jvim.15645.