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キリン皮膚病のモニタリング

16 March 2020 – News

ここ30年でキリンの数は約40%減少している。その主な原因は密猟や生息地の破壊などの人為的要因である。しかしながら、キリン皮膚病(GSD)のような疾患もこれらの哺乳類の保護においては重要な役割がある。

GSDの最初の徴候は被毛が浮き上がった状態になる小さな結節で、これが痂疲に発展する。時間が経過するにつれて、痂疲は乾燥してウロコ状の斑となり、掻痒が増す。この疾患はタンザニアで流行していて、移動するのが困難となってしまうため、重度な例では、ライオンに捕食される可能性が高くなってしまっているのではないかと仮説が立てられている。

写真測量法は画像の定量化であり、野生動物保護研究において重要なツールである。これは主に特殊な種の形態学的特徴を測定したり、保護の重要性のある動物のサイズや重量を推測したり、群の中から個体を特定するためにも使用される。

この研究はカメラトラップで撮影した画像による写真測量を使用した皮膚病理学的重症度の初めての定量化を示している。今回は、長距離カメラトラップシステムをGSDを評価するためにルアハ国立公園とセレンゲティ国立公園に設置した。しかし、著者は他の動物や部位での外部徴候によって特徴づけられるその他の状態を評価するために考えていた。

全部で385の写真が写真測量分析に適していると判断できた。病変は軽度(最も多く見られた)、中等度または重度に分類され、著者は両側の前肢で後肢より多くの病変を発見した。考えられる理論はGSDは糸状虫に起因していて、大半が昆虫によって伝播され、この昆虫はキリンの尾によってより効率的に追い払われる。ともかくこの皮膚疾患の疫学を理解するための研究が必要である。

動物の観察と併せる事で、写真測量法は野生動物の生態における皮膚問題の転帰を評価する有用な非侵襲的なツールとなりうる事が示された。

 

  1. Muneza A. et al. Quantifying the severity of giraffe skin disease via photogrammetry analysis of camera trap data. Journal of Wildlife Diseases, 55(4), 2019, pp. 770–781. DOI: 10.7589/2018-06-149