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ケースレポート:胸腰椎椎間板ヘルニアを発症したフェレットの1例

7 October 2019 – News

2歳、雄(去勢済み)のフェレットを椎間板ヘルニアと診断した。診断は、画像検査(脊髄造影およびCT)所見および臨床所見に基づいて行った。症例は3日前に対麻痺を急性に発症し、排尿・排便のコントロールを喪失していた。

神経学的検査では後肢の上位運動ニューロン症状がみられ、胸腰部脊髄分節の病変が示唆された。血液検査結果と合わせて、本所見は原発性の神経学的異常に合致するものであった。本病態がペットのフェレットでみられることは稀である。

メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウムの静脈内投与を1週間行った後、自宅での3週間のケージレストを指示した。この期間を通して、他動的関節運動と膀胱圧迫による排尿介助を行った。その後、症例は随意運動機能を回復したため、リハビリテーション施設にて2週間の治療プログラムを実施した。プログラムには、他動的運動、補助しながらの短距離歩行、鍼治療が含まれていた。2週目には、後肢の筋肉に負荷をかけるため、水治療法と坂道を上る歩行訓練が追加された。2週間後には歩行可能になるまで回復したものの、後肢の虚弱と固有感覚障害が残っていた。

診断から2か月後、症例は完全に歩行可能となり、明らかな神経学的異常は観察されなくなった。1年後の経過観察時には、症状の再発は報告されなかった。

フェレットでは、椎間板ヘルニアによる臨床症状が複数みられる場合でも保存療法が奏功する可能性が考えられる。しかしながら、推奨される治療方法は未だ確立されていない。とは言え、フェレットでは筋萎縮が急速に進行するため、積極的な運動と理学療法を集中的に行うことが、より良い治療成績に直結するものと考えられる。

Srugo I. et al. Successful medical management of lumbar intervertebral disc prolapse in a ferret(腰椎椎間板ヘルニアに対して内科療法が奏功したフェレットの1例). Journal of Small Animal Practice (2010) 51, 447–450. DOI: 10.1111/j.1748-5827.2010.00964.

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