fbpx

センザンコウの現況

30 March 2020 – News

センザンコウは2016年のCITES(ワシントン条約:訳者注)附属書Ⅰに含まれており、それ以降、この特別な哺乳類の保護に対する関心が高まってきている。センザンコウは主にアフリカとアジアで保護されており、生きた動物を治療し、野生に戻すプロジェクトが行われている。

リハビリテーションの実情は国によって明らかに異なっている。例えば、ベトナムでは多くの動物は、センザンコウを利用した製品を売る既存の消費者市場やこの国の特徴である違法取引から救出されている。南アフリカではサバンナセンザンコウが絶滅危機にある主な理由は、密猟、密売、電気柵による感電死、交通事故である。

捕獲されたセンザンコウは食欲不振を示したり、体重を増加させ市場価値を上げるためにコーンミールと水を混ぜ合わせた物を強制給餌されることにより下痢を呈する。また、栄養不良となっている個体もいるためリフィーディングシンドロームを避けるよう注意する必要がある。国によらず、最初のアプローチは救出した個体の安定化である。

センザンコウを野生に還す事は難題であり、常に達成できるとは限らない。全ての個体が個々の特性を有していて、隔離された快適な個室で飼育する必要があり、食餌と水も与える。他の個体と一緒に管理したり、接触させたりする事はストレスを与える事となるため、個々で管理してストレスを減らすようにする。

診断ツールは限られているが、徹底的な身体検査を全てのセンザンコウで実施する必要がある。予防的胃保護薬と駆虫薬も投与する事が多い。検査室での分析が重要であり、凝固因子低下の所見が少なくはない。

センザンコウを野生に戻す準備ができた場合でも、彼らを観察するための方法は異なってくる。南アフリカではタグが付けられ、遠隔装置を用いてモニターする。野生動物のための隔離された自然保護区に限界のあるベトナムでは、通常マイクロチップが挿入される。

センザンコウは定期的に保護されていて、既に多くのリハビリテーション成功例や野生への復帰例がある。種の保全のための成果は常に向上していて、政府、保護センター、動物病院の良好な関係づくりが不可欠である。

Wright N. and Jimerson J. The rescue, rehabilitation and release of pangolins. © 2020 Elsevier Inc. All rights reserved. DOI: https://doi.org/10.1016/B978-0-12-815507-3.00030-7