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チレタミン・ゾラゼパム合剤の口腔内投与によるネコの鎮静

13 January 2020 – News

獣医療では、鎮静剤や鎮痛剤の投与ルートは筋肉内または皮下が一般的であるが、その処置のためにネコをきちんと保定することが難しい場合がある。また、注射によって強い嫌悪反応を誘発してしまう場合もある。

口腔内投与(BA)では、薬剤を頬粘膜に接触するように口腔内に投与するだけで良いため、痛みを伴わず容易である。経口投与とは異なり肝臓の初回通過効果を回避できるため、より速やかに血中有効濃度に到達できる。

本研究では、チレタミン・ゾラゼパム合剤(TZ)をBAにてネコに投与した場合の鎮静効果および生理学的影響を評価した。チレタミンはシクロヘキシルアミン系に属する薬剤で、ゾラゼパムはベンゾジアゼピンである。この合剤はネコで一般的に用いられており、筋肉内、皮下、静脈内、または、鼻腔内投与が可能である。

実験は各個体について2回実施し、各々、次の2種類の用量でTZを投与した:5mg/kg(低用量)、7.5 mg/kg(高用量)。心肺機能に関連する複数の変数値の測定と合わせて、消化器系への影響と鎮静効果を評価した。

鎮静効果は行動学的反応に基づいて評価し、投与量によらずよく似た結果が得られた。鎮静状態は30-45分以上持続し、この間は拒否反応を誘発することなく用手による保定と毛刈りを行うことができた。両群間で心拍数の測定値に大きな違いはみられなかった。しかしながら、収縮期血圧と呼吸数は7.5mg/kgのTZを投与したネコにおいて有意に低かった。

本研究にて認められた鎮静持続時間は、TZの静脈内投与にて実施された過去の研究結果と同様であったが、効果の発現時間はBAの方が遅かった。実際、チレタミン・ゾラゼパム合剤の口腔内投与は薬剤を用いたネコの鎮静化に有効な方法であり、注射による投与の代替法となり得る。したがって、診察時のネコとその飼い主の体験をより良いものに変えることができると推測される。

Nejamkin P. et al. Sedative and physiologic effects of tiletamine–zolazepam following buccal administration in cats(チレタミン・ゾラゼパム合剤の口腔内投与によるネコの鎮静効果および生理学的影響). Journal of Feline Medicine and Surgery. 2019 Jan 8. doi: 10.1177/1098612X19827116journals.sagepub.com/home/jfm