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ネコの慢性痛

4 November 2019 – News

ネコの寿命が延びるにつれて、慢性痛を生じる疾患の有病率が増加している。しかしながら、慢性痛の評価は多くの獣医師にとって難しい課題である。慢性痛は動物の生活の質(QOL)に負の影響を及ぼす。単独で発生している場合もあれば、疾患や損傷に付随して発生している場合もある。

慢性痛を評価する際には、感覚-識別的、認知-評価的、感情-情動的の3つの側面を考慮し、それぞれを評価することが大切である。また、痛みは侵害受容性、炎症性、神経障害性、機能性のいずれか1つまたは複数にまたがる疼痛に分類される。

ペインスケールのほとんどは、病院受診というストレス下では観察されないようなネコの行動の変化や日常のルーチンの変化に基づいて評価を行う。そのため、慢性痛を正しく評価するためには飼い主の協力が欠かせない。

本レビューでは、様々な臨床的計測手法や健康状態によるQOLの評価手法が紹介されているだけでなく、主な鑑別診断や臨床検査の手順についても述べられている。これらは、猫の痛みを最小限に抑えるために重要な項目である。

もう1つの重要な点は、術後の急性痛の重症度と慢性痛を発生するリスクの相関性についてである。本レビューでは、侵襲的な外科的処置を行う場合に、十分な鎮痛処置と疼痛管理を行うことの重要性が説かれている。

慢性痛のあるネコでは、運動性の低下や普段通りの行動ができなくなる、食欲の変化、不適切な排泄行動、皮膚や爪に現れる異常、無関心などの症状がよく見られる。いずれの場合も、慢性痛には明確なエンドポイントや生理的機能はなく、個体によって症状の現れ方が様々であることを理解しておくことが大切である。

P Monteiro, B. and Steagall, P. Chronic Pain in Cats Recent advances in clinical assessment(ネコの慢性痛:近年の臨床的評価手法の進歩). Journal of Feline Medicine and Surgery (2019) 21, 601–614.

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