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先天性水頭症:外科的療法 vs 内科的療法?

30 December 2019 – News

脳室腹腔シャント(VPS)設置術は、先天性水頭症の犬の治療における第一選択肢ではあるが、本療法は合併症を伴う。また、外科的療法と内科的療法のどちらを選択するか、判断する際に考慮すべき臨床パラメータについては未だ確立されていない。

水頭症症例の治療においては、脳脊髄液(CSF)の産生抑制または吸収増加を達成することが目標となる。副腎皮質ステロイドを用いた治療によって、臨床症状の改善と長期的な安定化が得られたという報告が複数なされており、ステロイド療法の有用性が示唆されている。

本研究では、MRI検査にて確定診断した水頭症の犬40症例について回顧的調査が実施された。主な目的は、プレドニゾロンの経口投与で治療を行った群と、脳室腹腔シャント術を実施した群の間で、臨床症状や治療結果に違いがみられたかどうかを評価することであった。

症例は、実施された治療方法によって分類された:内科療法群(12例) vs 外科療法群(28例)。

両群の半数の症例で良好な長期経過が得られていた。臨床症状や発作の発現歴、MRI画像における脳室厚と脳厚の測定値の比(VBHR)に有意な違いは認められなかった。実際には、VSPでは感染症や疼痛、脳室虚脱、硬膜下血腫などの合併症がみられており、ステロイド療法はVSPの代替法になり得るかもしれない。

本研究は大変興味深いものであり、先天性水頭症の自然な病態進行についてさらなる研究が必要であること、そして、より多くの症例に基づき類似の調査を行う必要があることが示唆された。また、本研究で内科療法群に分類された症例はいずれもCSF検査が実施されておらず、基礎疾患として炎症性のCNS疾患を有する症例が含まれていた可能性は除外できない。

Gillespie, S.; Gilbert, Z.; Decker S. Results of oral prednisolone administration or ventriculoperitoneal shunt placement in dogs with congenital hydrocephalus: 40 cases (2005–2016)(先天性水頭症の犬におけるプレドニゾロンの経口投与または脳室腹腔シャント設置術による治療結果:40症例(2005-2016)). JAVMA – APR 1, 2019. VOL 254, NO. 7