定期的な正の強化訓練は馬において接触を求める行動を増加させる
15 August 2022 – News

馬はしばしば負の強化に基づいて訓練される。しかしながら、最近、正の強化がますます人気になりつつある。
正の強化で訓練された馬は、負の強化で訓練された馬と比較して、より少ないストレス関連行動および回避行動を示し、より楽天的な感情を示すいくつかの証拠がある。
正の強化はまた、なじみのない人に対する馬の代表の接触を求める行動が増加するため、馬と人の間の関係性が改善することを示唆する。
この研究分野はいまだほとんど研究されておらず、人に対する馬の認識、その感情状態およびストレスレベルに関する正の強化訓練補給の長期的影響を研究する必要がある。
この研究の目的は個人的に所有されている馬の通常の負の強化訓練に少しだが定期的な正の強化訓練を加えることの影響を調査することだった。著者らは正の強化が加えられた症例において、馬-人の関係性の改善があり、馬はより楽観的になる可能性があり、知らない人の接触を求める行動が増え、その長期ストレスレベルが低下するはずだという仮説を立てた。
いくつかの品種、年齢および性別の36頭の馬がこの研究に含まれた。動物は訓練群あるいは対照群に擬似ランダムに振り分けられた。訓練群の飼い主は正の強化訓練を行う方法について具体的で詳細な指示を受けた。
データの解析の後、正常な負の強化訓練中に少しだが定期的な正の強化を加えることにより、馬はなじみのない人に対してより高い接触を求める行動を発達させることを立証することが可能だった。しかしながら、ストレスレベルあるいは感情状態への影響は認められなかった。
得られた結果は、馬の訓練において正の強化が導入されると人に対する馬の認識が好ましく変化するということを述べた以前の研究を支持する。著者らは正の強化のみあるいは負の強化のみで訓練された馬における違いを認識できる更なる研究が実施されることを提案する。
Larssen, R. et Roth L. S. V. (2002) ‘Regular positive reinforcement training increases contact-seeking behaviour in horses’ Applied Animal Behaviour Science. Vol. 252
https://doi.org/10.1016/j.applanim.2022.105651