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栄養と認知機能

3 August 2020 – News

老化は、ペット(および人間)の認知機能に悪影響を及ぼす可能性がある様々な変化をもたらす。実際、脳の代謝率は高く、犬では6歳までに著しく低下することが報告されている。また、栄養素によっては、その欠乏によって脳の老化プロセスが加速する可能性があることも知られているため、栄養管理は非常に重要である。

本論文は認知機能の低下と機能障害、そして、抗酸化物質、ビタミン、オメガ3脂肪酸などを用いた食事療法によるその管理に焦点を当てている。通常、認知機能障害は進行性で、ペットにおける調査もいくつか存在するものの、猫での研究は犬での研究よりもはるかに少なく、そのため、ネコ科の動物においてこの症候群を診断することは容易ではない。ここに記されている仮説の多くは人医学から外挿されたものであり、調査が必要である。

脳のグルコース代謝は年齢とともに減少するが、ケトン体では同じことが起こらない。人では難治性てんかんの管理に伝統的なケトン食療法が有用であり、専門家の中にはそれらを様々な神経学的疾患に用いることを推奨する人もいる – 犬では効果がない。しかしながら、中鎖トリグリセリドを含む食事は認知機能を高める可能性がある。

ペットにおけるオメガ3脂肪酸の有効性についての数少ない研究に加えて、高齢のビーグル犬を対象に食事由来のドコサヘキサエン酸を用いた研究では、視覚的および可変的コントラスト識別学習試験に改善がみられた。分岐鎖アミノ酸も高齢のペットに有益であるようである。

栄養素を組み合わせた場合の方が、単一の栄養素を使用した場合よりも良い結果が得られる。そのため、栄養補助食品の多くはいくつかの成分を組み合わせて含有しているものが一般的で、それらは現在、獣医療においても利用可能である。一部の研究では、それらに認知機能障害症候群に関連した症状を軽減する効果があることが示されているが、投与を中断すると再発する場合が多い。

ペットの栄養と認知機能の関連性についてはまだまだ研究すべきことがたくさんある。本論文はこの問題に関するいくつかの重要なトピックと理論に焦点を当てている。早期発見と学際的介入(医療、環境、栄養)により、人と動物の絆を大切にし、福祉に配慮しながら認知機能の低下速度を遅らせることができるかもしれない。

A.May, Kimberly and P. L. Dorothy. Nutrition and the aging brain of dogs and cats(犬と猫の脳の老化と栄養). JAVMA. Dec 1, 2019. Vol 255. No 11.