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犬の脊柱弯曲異常は椎間板ヘルニアの発症率を上げる?

9 December 2019 – News

脊椎間の形態異常は、臨床症状発現の主原因であるとはあまり考えられていないものの、脊柱の生体力学に影響を及ぼすと考えられている。このような視点を考慮し、本研究は、脊柱後弯症と脊柱側弯症、そして、椎間板ヘルニアの間に何らかの関連性があるかどうかを明らかにすることを目的に実施された。

本研究では、これらの疾患の好発犬種であるフレンチブルドッグを対象とし、臨床症例178例について回顧的調査を実施した。症例は次の2群に分類された:1つ目のグループは、臨床症状があり、画像検査にてIVDE(椎間板ヘルニア)に相当する所見が観察されたペットの個体、2つ目のグループは、脊髄疾患や成形外科疾患を示唆する明らかな臨床症状がみられない個体。

頚部または胸腰部のIVDEにおいて、年齢が危険因子の1つであることが確認された。加えて、脊柱後弯症のフレンチブルドッグでは、本異常のない個体(同一犬種)に比べて椎間板ヘルニアの発症率が2倍高いことが示唆された。また、解剖学的にみたIVDEの発症部位は、脊椎異常の種類によって様々に変化する可能性があることが明らかになった。すなわち、脊柱後弯症は胸腰部の椎間板ヘルニアとの関連性が高い一方で、脊柱側弯症のフレンチブルドッグでは後部腰椎領域に椎間板ヘルニアが発生しやすいことが明らかになった。とは言え、脊柱側弯症と主な椎間板ヘルニアの発症率の間に関連性は認められなかった。

フレンチブルドッグにIVDEが高頻度で発症する理由を、脊柱弯曲異常のみで説明することはできないが、IVDE発症の危険因子の1つと考えても良いのではないだろうか。実際、生体力学的な負荷バランスに変化が生じる点は軽視すべきではないと考えられ、本分野についてはさらなる研究が必要である。

Inglez de Souza et al. Evaluation of the influence of kyphosis and scoliosis on intervertebral disc extrusion in French bulldogs(フレンチブルドッグの脊柱後弯症と脊柱側弯症による椎間板ヘルニアへの影響評価). BMC Veterinary Research (2018) 14:5. DOI 10.1186/s12917-017-1316-9