獣医師たちのストレスと負担:スコーピングレビュー
29 August 2022 – News

医療従事者は様々な種類の仕事のストレス要因にさらされている。仕事の不平等、あらかじめする準備への圧力、シフト勤務、制御不能の感覚、職場での低い社会的支援および残業はこれらのストレス因子の例に過ぎない。これらの条件は長い勤務時間が労働者の死亡率を20%増加させるなど、専門職の幸福と健康に影響を与える可能性がある。鬱病、不安障害および認知症など、心理的影響も一般的である。獣医専門職は医療従事者と匹敵する条件で働いている。
獣医領域では前途のストレス要因に加えて、我々は勤務スケジュールの変更、金銭面の問題、クライアントの要求/期待および倫理的ジレンマを有している。専門職ではこれは知られており、いくつかの研究は他の勤務群と比較して獣医診療医の中で自殺の危険性がより高いことを認めた。燃え尽き症候群とストレスは何年もの間この業界の中で議論されてきた。
この研究の目的は獣医師たちの労働ストレスと、精神的健康へ及ぼすその影響の証拠を概観することである。獣医における鬱病、燃え尽き症候群の不安および自殺の危険性などの、心理的作業負荷およびその潜在的健康への影響に関連する他の研究を要約することにより、著者は獣医専門職の幸福の改善を助けるための戦略を見つけようとするだろう。
女性獣医師は男性獣医師よりも多くのストレスを被ることが認められているが、ほとんどの獣医業界が女性であることを考慮すると、このデータは決定的ではない。主なストレス因子の一つは労働時間であり、鬱病は自殺行動に対して最も引用された危険因子であった。
これらの対策は、ライフワークバランスが不良であることが離職する最も多い理由である、専門職における離職率を大幅に下げる可能性がある。職場環境、従業員の定着率を改善し、士気を高めるために今後さらに実行される可能性のあるいくつかの戦略がある。
獣医専門職の心理的ストレス要因を減らすことは非常に重要であり、対処戦略が作成されなければならない。これらの戦略がそれぞれの個々の需要に適合されること、獣医業界間で社会的支援が強化されることが重要である。
具体的な労働ストレス因子およびそれらを最小限にするための最良の戦略を同定するためには更なる調査が必要である。コーチング、カウンセリングおよび、ストレスマネージメントコース・セミナーは早期および後期の職歴段階のいずれにおいても有益である可能性がある。専門機関と獣医学校は仕事関連の不安および鬱病の管理におけるトレーニングおよび回復力構築プログラムを提供するべきである。
Pohl, R. et al (2022) ‘Stress and Strain amoung Veterinarians: a scoping review’ Irish Veterinary Journal. 75 (15)