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症例報告:ウマ繁殖農場で発生したβ-コロナウイルスの集団感染

11 May 2020 – News

β-コロナウイルス(BCoV)は若齢馬の消化器疾患に関連している場合が多いものの、競馬や繋養施設における成馬での発生例もいくつか報告されている。著者らの知る限り、本報告は単独の隔離群におけるBCoV集団感染としては最大規模のものである。

集団感染の初発症例は2頭の3歳の牝馬で、発熱と元気消失、軽度の疝痛症状が観察された。これらの徴候は6か月齢から12歳までの別のウマ3頭にも認められた。5例中4例ではNSAIDsとフルニキシンメグルミンの投与により、2-5日間で臨床徴候は消失した。

初発症例のうち1例では5日後にも症状が持続していたため、さらなる治療のために病院に紹介した。PCR検査にてBCoV感染が確定されたため、農場に残る個体(ウマ28頭とロバ1頭)の糞便検体を採取した。農場の動物30個体のうち25例がBCoV陽性であったが、症候性であったのは5例(20%)のみであった。結果が陰性であったものは全て、外見上健康な個体であった。

この集団感染では感染個体は全例回復し、死亡率は低かった(0%)。この理由には、当該農場に仔馬がいたことが可能性として考えられる。ECoV(ウマ腸コロナウイルス – βコロナウイルスの1種)は健康な若い仔馬に非常に一般的に存在する病原体で、ウイルスが仔馬の糞便中に排出されることにより、成馬に防疫効果をもたらしていた可能性がある。

本報告は感染リスクのある全ての個体について検査を実施することの重要性を示している。また、BCoV感染症では臨床症状の有無によらず感染個体からウイルスが排出される可能性があるため、本感染症の検疫期間を定義付ける必要性が示された。

E.L. Goodrich et al. Novel findings from a beta coronavirus outbreak on an American Miniature Horse breeding farm in upstate New York(ニューヨーク州北方のアメリカン・ミニチュア・ホース繁殖農場で発生したβコロナウイルス集団感染における新奇知見). Equine vet. Educ. (2020) 32 (3) 150-154. doi: 10.1111/eve.12938