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症例報告:奇異性前庭症候群と診断したモルモットの1例

16 December 2019 – News

小型のエキゾチック哺乳類では、前庭症候群は慢性内耳炎に関連して発症することが多い。本報告は、最終的に奇異性の臨床症状を呈するに至った症例についての初めての報告である。

本報告では、3歳の雌のモルモットの症例が記されている。初診時の身体検査では、右眼のぶどう膜炎、角膜潰瘍、顔面神経不全麻痺、右前後肢の固有受容感覚障害が認められた。また、左側への斜頸と運動失調、左側に横転する様子も観察された。これらの症状は奇異性前庭症候群を示唆するものであったが、更なる検査は希望されなかったため、ジクロフェナク(点眼)7日間とエンロフロキサシン(経口)2週間が処方された。

7か月後、症例は病態が進行し、CT検査が実施された。

検査画像では、後頭骨が溶解し、右側の三半規管が破壊されている様子が観察された。細菌性膿瘍や真菌性肉芽腫が最も強く疑われたが、腫瘍性疾患を除外することはできなかった。感染性疾患と腫瘍性疾患の鑑別には組織生検が必要であったが、骨生検には大きなリスクが伴う状態であった。また、病変が非常に広範囲に及んでおり、外科的介入も適応ではなかった。以上の点から、エンロフロキサシンの経口投与および点耳(右側)と、食事とともにサプリメントの給与が提案された。

40日後、症例は重度の元気消失と食欲不振を呈し、初診時の体重のほぼ30%の体重減少がみられた。安楽殺の処置が選択され、剖検が実施された。

剖検にて、大脳葉の一部と小脳の吻側部を圧迫する硬い腫瘤の存在が確認された。病理組織検査にて化膿性骨髄炎と診断された。

Ratliff et al. Paradoxical Vestibular Syndrome secondary to temporal bone osteomyelitis and chronic otitis interna in a guinea pig (Cavia porcellus)(側頭骨骨髄炎と慢性内耳炎に続発した奇異性前庭症候群のモルモット(Cavia porcellus)の1例). Journal of Exotic Pet Medicine 28 (2019), pp 3034