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長期ストレスは異種間で伝染する?

1 June 2020 – News

イヌとヒトの密接な関係は少なくとも一万五千年も続いており、この独特な関係をさらに掘り下げるべくさまざまな研究が実施されてきた。

この2種間では短期ストレスが伝染することが数々の試験から明らかにされているが、著者の知る限りでは、異種間での長期ストレスの同期について調査したのは本研究が初めてである。

毛髪が生成される際に血清中のコルチゾルが取り込まれることから、過去に遡ってホルモン濃度の変化を知ることが出来るという前提のもと、飼い主とイヌの毛髪中のコルチゾル濃度(HCC)を測定した。

58組のHCCを夏と冬の2つの時期に分けて測定した。また、調査を通じてそれぞれの性格を評価し、イヌの活動性についてもモニターした。

調査ではシェトランド・シープドッグとボーダー・コリーの雄と雌を試験対象とした。生活様式の違いを分析するため、活発に競い合う状況にいるイヌとペットとして飼われているイヌを試験対象とした。

調査の結果、ヒトのHCCが上昇すると、イヌにも同じく上昇が認められ、この2種間でHCC値が同期することが分かった。しかし反対に、ペットのストレスが必ずしも飼い主であるヒトに反映されるわけではなかった。このストレスの直接効果は、競合関係にあるペアや雌ほど強く認められ、このような個体ではコルチゾル濃度の基礎レベルも高いことが分かった。本稿ではこれらの結果の解釈から、ヒトとイヌの相互関係の重要性を福祉の観点から改めて浮き彫りにしている。